アプリケーションについて
AXIS Radar Autotracking for PTZは、Axisレーダーからのデータを使用して、1台または複数のPTZカメラを移動物体に追跡させることができるアプリケーションです。PTZカメラは、レーダーの近くに設置することも、監視サイト全体に分散して設置することもできます。レーダーは移動物体の絶対距離と速度を測定し、アプリケーションは位置と現在の表示に基づいてPTZカメラの最適なパン、チルト、ズーム設定を計算します。
トラッカーは、カメラの表示内に収まるように複数の物体をグループ化し、デフォルトの動作では以下の優先順位にしたがって実行されます:
同じ物体を追跡する。
カメラの動作を最小限に抑える。
PTZカメラがあれば、少なくとも1台のPTZカメラで各物体を追跡する。そうでない場合は、最も近い物体を追跡する。
検討事項
対応PTZカメラのリストについては、axis.com/products/axis-radar-autotracking-for-ptz#compatible-productsを参照してください。
このアプリケーションは、活動量が限られた屋外サイトや、または天井の高さが7メートル (23 フィート)以上の屋内サイトに適しています。駅のような混雑したサイトには推奨されていません。
レーダーの検知範囲内にPTZカメラを設置する必要があります。検知範囲の詳細については、help.axis.com のレーダーのユーザーマニュアルを参照してください。
このアプリケーションは、Axisレーダーの内蔵オートトラッキングサービスと同時に実行するようには設計されていません。サービスを切り替える場合は、レーダーを工場出荷時の設定にリセットしてください。
レーダーの検知範囲外にある物体など、レーダーはカメラに映し出される物体を見逃す場合があります。
レーダーは、物理物体がシーンを通過する間に、その分類を変更することができます。設定によっては、トラッキング動作が変更される可能性があります。
遅延が大きいとトラッキング性能に影響を及ぼす場合があります。遅延を最小限に抑えるには、レーダーやPTZカメラと同じネットワークに接続されているコンピュータでアプリケーションを実行します。
オペレーターは、常にPTZカメラを制御し、AXIS Radar Autotracking for PTZをオーバーライドすることができます。詳細については、オーバーライドトラッキングを参照してください。
レーダーの設定を変更した場合は、サービスを再起動してください。
アプリケーションがPTZカメラの比例速度を無効にする場合があります。アプリケーションからカメラを削除しても、この設定はリストアされません。
開始する
準備
モニターするエリアの航空写真などの基準地図をダウンロードまたは作成します。
PTZカメラとレーダーの設置エリアを含みます。
2つの校正ポイントを含みます。ランドマークを使うか、地図上に見える物体やペイントマークを置きます。
レーダーとPTZカメラが設置された場所を書き留めます。
対象範囲に対するPTZカメラとレーダーのマウント高さを測定します。
レーダーのwebインターフェースに移動し、基準地図を校正する。詳細については、help.axis.comでレーダーユーザーマニュアルを参照してください。
アプリケーションをインストールする
アプリケーションはaxis.com/products/axis-radar-autotracking-for-ptz からダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックし、設定アシスタントの手順に従ってください。
設置が完了すると、バックグラウンドでアプリケーションが始動します。
アプリケーションの設定
レーダーと1台以上のPTZカメラのペアリング
このアプリケーションでは、レーダーやPTZカメラをグループごとに整理できます。グループは、1台のレーダーと、レーダーからのモーションデータで制御(する)1台以上のPTZカメラで構成されています。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
グループ作成 を選択し、グループ名を入力します。
セキュリティレーダーを追加するを選択し、レーダーのIPアドレスを入力します。
HTTPSで接続するには、オプション を選択し、HTTPS を選択します。
レーダーを設定していない場合は、ステータス: 未設定 をクリックし、アプリケーションの手順に従ってください。
カメラを追加する を選択し、PTZカメラのIPアドレスを入力します。
HTTPSで接続するには、オプション を選択し、HTTPS を選択します。
PTZ カメラを設定するには、ステータス: 未設定 をクリックし、アプリケーションの手順に従います。詳細については、PTZカメラの校正を参照してください。
レーダーまたはPTZカメラの設定の詳細情報については、help.axis.com にあるユーザーマニュアルを参照してください。
1台のPTZカメラと複数のレーダーのペアリング
1台のPTZカメラを複数のレーダーと組み合わせるには、レーダーごとに1つのグループを作成し、それぞれのグループに同じPTZカメラを追加します。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
グループ作成 を選択し、グループ名を入力します。
セキュリティレーダーを追加するを選択し、レーダーのIPアドレスを入力します。
HTTPSで接続するには、オプション を選択し、HTTPS を選択します。
レーダーを設定していない場合は、ステータス: 未設定 をクリックし、アプリケーションの手順に従ってください。
カメラを追加する を選択し、PTZカメラのIPアドレスを入力します。
HTTPSで接続するには、オプション を選択し、HTTPS を選択します。
PTZ カメラを設定するには、ステータス: 未設定 をクリックし、アプリケーションの手順に従います。詳細については、PTZカメラの校正を参照してください。
- 注
すべてのレーダーとペアリングするまでは、PTZカメラのトラッキングをオフにしておくことをお勧めします。PTZカメラを右クリックし、オフ をクリックします。カメラを2台以上のレーダーとペアリングする場合は、各グループのPTZトラッキングをオフにしてください。
レーダーごとに新規グループを作成し、同じカメラを各グループに追加します。
1台のPTZカメラと複数のレーダーをペアリングすると、PTZカメラはレーダーを同様に取り扱い、カメラの制御キュー設定に基づいて検知された物体を追跡します。
PTZカメラの校正
アプリケーションにPTZカメラを追加する場合、校正を行う必要があります。校正を簡単に実行するため、考慮する必要がある事項があります:
校正は、PTZカメラの位置と2つの校正ポイントの3つの位置に基づいて行われます。この3つの位置が平面を作成します。
校正ポイントは、カメラの表示と背景画像の校正に使用されます。すなわち、レーダーの検知範囲外の校正ポイントを選択することができます。
検知範囲の最も遠いポイントと同じ方向にある最初の校正ポイントを選択します。より遠い校正ポイントを選択すると最適です。校正ポイントがレーダーの近くにあると、わずかな角度誤差によって、より遠い物体位置で大きな偏差が発生します。検知された物体がカメラの表示外に落下する場合があります。
対象範囲の敷地周辺、または敷地周辺を超えたところにある2つ目の校正ポイントを選択します。カメラトラッキングの性能は、PTZカメラの位置と2つの校正ポイントで構成される三角形の中で最適に機能します。
校正ポイントを選択する際は、シーンの標高を考慮してください。3つの位置が異なる高さに設定されている場合、アプリケーションは検知ゾーン全体がチルト面であると仮定する。レーダーには高さに関する情報がありません。校正ポイントから設定された範囲とは別のレベルで物体が検知された場合、PTZカメラは対象物体の下をトラッキングしている可能性があります。
就業時間外にのみトラッカーを使用する
レーダーのwebインターフェースに移動し、トラッカーを作動させる時間を定義するスケジュールを設定します。デフォルトスケジュール就業時間外 を使用することもできます。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
グループを右クリックし、グループ設定 を選択します。
トラッキングスケジュール をオンにします。
レーダーで作成したスケジュールを選択します。
リストにスケジュールが見つからない場合は、をクリックしてリストを更新します。
平日の就業時間外および週末にトラッカーを使用する場合は、デフォルトのスケジュール就業時間を反転させる必要があります。
リストの手順に従い、デフォルトのスケジュール就業時間を選択し、スケジュールに応じてトラッキングをオフにする を選択します。
特定の物体タイプを追跡する
トラッカーに車両、人間、未定義の物体のみを追跡するかを選択することができます。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
カメラが属するグループを展開します。
PTZカメラを右クリックし、カメラ設定を選択します。
追跡オンで、追跡したい物体のタイプを選択する。
このシナリオからのイベントのみを追跡するを選択すると、アプリケーションはレーダーのシナリオ設定に基づき、追跡オンにある物体タイプを自動的に入力します。詳細については、レーダーでシナリオ固有のフィルターを使用するを参照してください。
レーダーでシナリオ固有のフィルターを使用する
レーダーアラームが発生している間だけ物体を追跡するように設定することができます。レーダーのアラームは、webインターフェースで設定したトリガー条件と検知設定の組み合わせであるシナリオに基づいて行われます。
開始する前に、以下をご確認ください。
レーダーにシナリオを作成し、トリガーする物体のタイプ、定義されたエリア内を移動する物体または2つの仮想線を横切る物体のどちらでレーダーをトリガーするかを定義します。
詳細については、help.axis.comでレーダーユーザーマニュアルを参照してください。
- レーダーアラーム中のみ追跡 :
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
選択したグループを右クリックし、グループ設定 を選択します。
レーダーアラーム中のみ追跡をオンにします。
- レーダーシナリオの物体のみを追跡する :
- これにより、PTZカメラは、レーダーアラーム中に すべての物体を追跡する代わりに、レーダーで設定したシナリオの物体のみを追跡するように制限されます。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
グループ内のPTZカメラを右クリックし、カメラ設定に移動します。
このシナリオのイベントのみを追跡するをオンにします。
- レーダーで特定のシナリオに優先順位をつける :
- レーダーに複数のシナリオを設定し、トラッカーにどちらかを優先させたい場合は、以下の手順に従します。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
グループ内のPTZカメラを右クリックし、カメラ設定に移動します。
シナリオの優先順位付け をオンにして、ドロップダウンメニューからシナリオを選択します。
PTZカメラがホームポジションに戻るタイミングを制御する
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
をクリックします。
一般設定 > ホームリターン遅延に移動し、PTZカメラがホームポジションに戻るまでの非アクティブ時間を設定します。
AXIS Radar Autotracking for PTZ一時停止
AXIS Radar Autotracking for PTZは、いくつかの方法で一時停止できます。
- すべてのトラッキングを一時停止する(オプション1) :
Windows®のタスクバーに移動し、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックします。
サービスを停止するを選択します。
- すべてのトラッキングを一時停止する(オプション2) :
レーダーのwebインターフェースで、レーダー> 設定 > 一般.に移動します。
レーザー透過をオフにします。
- 特定の検知エリアのトラッキングを一時停止する :
レーダーのwebインターフェースで、システム > イベントに移動します。
+ ルールを追加するをクリックします。
ルールの名前を入力します。
条件リストのレーダーの動きで、ルールを適用するシナリオを選択します。
アクションの一覧で、レーダー検知を選択します。
状態には検出オフを選択します。
PTZカメラ1台のトラッキングオフ
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
カメラが属するグループを展開します。
PTZカメラを右クリックし、オフ を選択します。
追加設定
レーダーまたはPTZカメラのwebインターフェースへのアクセス
このアプリケーションは、トラッキングに必要な基本設定を行います。レーダーまたはPTZカメラを設定するには、各装置のwebインターフェースに移動します。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
装置が属するグループを展開します。
装置を右クリックし、装置アドレスをコピーを選択します。
Webブラウザーを起動します。
ブラウザのアドレス欄に装置アドレスをペーストします。
Axis レーダーおよび Axis PTZ カメラのユーザーマニュアルは、help.axis.com でご覧いただけます。
バックアップと移行のための設定のエクスポートまたはインポート
バックアップや他のシステムへの移行のために設定をエクスポートしたり、設定のリストアや他のシステムからの移行のために設定をインポートすることができます。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
をクリックします。
バックアップと移行に移動します。
エクスポートまたはインポートをクリックし、アプリケーションの手順に従います。
詳細情報
オーバーライドトラッキング
オペレーターは、常にPTZカメラを制御し、AXIS Radar Autotracking for PTZをオーバーライドすることができます。
AXIS RadarAutotracking for PTZにPTZカメラを追加すると、アプリケーションによってカメラ内に閲覧者権限を持つ新しいユーザーが作成されます。閲覧者の権限は、オペレータや管理者の権限よりも優先順位が低くなります。
PTZカメラの制御キュー設定でデフォルトの優先順位を調整できます。
トラブルシューティング
技術的な問題、ヒント、解決策
物体追跡における問題 | |
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PTZカメラが動く物体を見失う。 | 以下のように対処してください。
|
PTZカメラが前後に動き、物体を見失う(オーバーシュートとも呼ばれる) | 以下のように対処してください。
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PTZカメラが回転する。 | PTZカメラとレーダーの時刻および日付をNTPサーバーと同期させます。 ステータスを確認するには、各装置のwebインターフェースの [Status > Time sync status (ステータス > 時刻同期ステータス)] に移動します。ステータスが「Synchronized: No (同期済み: いいえ)」と表示されている場合は、[NTP settings (NTP設定)] をクリックし、装置を同期するタイムソースを選択します。両方の装置に同じタイムソースを使用していることを確認します。 |
設定に関する問題 | |||||||
最新の設定変更が反映されていません。 | レーダーの設定を変更した場合は、サービスを再起動してください。 |
校正のトラブルシューティング
校正後にカメラが物体を正しくトラッキングしない場合、以下のいずれかの原因が考えられます:
地図の校正中に縮尺が正しく設定されていませんでした。
地図上の選択点が校正点と一致していません。
以下のように対処してください:
レーダー ストリームをできるだけ多く使用するようにしてください。レーダーの検出範囲がストリームのできるだけ広い範囲をカバーするようにレーダーを配置します。
地図の縮尺が正しいことを確認します。
- レーダーの位置と地図の縮尺を調整するには、レーダーのWebインターフェースのレーダー>地図の調整に移動します。詳細手順については、help.axis.com のレーダーのユーザーマニュアルを参照してください。
校正を検証するには :
レーダーのWebインターフェースで、レーダー>設定>物体の視覚化に移動し、軌跡の有効期間 を1分に設定します。
監視しているサイトで、誰かにレーダーから最初の校正ポイントまで歩いてもらい、そこで止まってもらいます。
レーダーのwebインターフェースで、地図上の軌跡が現実と一致していることを確認します。地図上の軌跡がずれている場合は、地図の校正をやり直してください。
地図校正が正常であった場合は、PTZカメラを再校正します。
トラッカーの動作を録画する
サポートに連絡する必要がある場合は、トラッカーの動作を録画しておくと効率的に対処されます。
Windowsのタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
グループの選択
基準地図をクリックします。
をクリックし、詳細情報を表示するを選択します。
適したアプリケーションで録画します。
ネットワーク負荷を低減する
- 設定中のネットワーク負荷を制限するため、トラッカーのユーザーインターフェースで使用するビデオ品質を下げることができます。これは録画の品質には影響しません。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
をクリックします。
ビデオ品質 に移動し、より低いオプションを選択します。
サービスを終了して再起動するをクリックします。
デバッグログをオンにする
サポートに連絡する必要がある場合は、デバッグ情報を提供すると効率的に対処されます。デバッグログは診断レポートに保存されています。
問題が発生した時点でデバッグロギングがオンになっていない場合、診断レポートにデバッグ情報は表示されません。
デバッグロギングがオフになっている場合は、オンにして問題を再現してから診断レポートを保存してください。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
をクリックします。
トラブルシューティング で、デバッグロギングをオンにします。
診断レポートを保存する
- 診断レポートには、システム設定、校正レポート(レーダーとPTZカメラの画像を含む)、デバッグログが含まれます。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
をクリックします。
トラブルシューティングで、診断レポートの保存 をクリックします。
校正レポートを保存する
校正レポートには、校正情報と選択したレーダーまたはPTZカメラの画像が含まれています。
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
装置が属するグループを展開します。
装置を右クリックし、構成レポートを保存するを選択します。
遅延ディスプレイをオンにする
Windows® のタスクバーで、AXIS Radar Autotracking for PTZ を右クリックし、Open AXIS Radar Autotracking for PTZ を選択します。
グループの選択
オーバービューマップでをクリックし、詳細情報を表示するを選択します。