アプリケーションについて
AXIS Radar Data Visualizerは、180°レーダー検知と180°パノラマ画像を組み合わせて、大規模なオープンエリアを監視します。レーダーとパノラマカメラを接続することで、人の検知距離は最大60メートル、車両の検知距離は最大85メートルまで広がります。このアプリケーションは、物体のクラス、距離、速度をカメラビューにカスタマイズ可能な視覚的なオーバーレイとして表示できます。これらのデータはイベントをトリガーするためにも使用できます。
要件
レーダーとパノラマカメラは、それぞれのインストールガイドに従って取り付け、設定する必要があります。
パノラマカメラはレーダーの上または下に取り付け、レーダーからの距離は50 cm以内とする必要があります。
互換性のあるカメラのリストについては、AXIS Radar Data Visualizer | Axis Communicationsを参照してください。
レーダーのリストについては、axis.com/ja-jp/products/radarsを参照してください。
開始する
レーダーキャリブレーションを行う
レーダーを設置すると、レーダーのデフォルトのライブビューにはレーダーの検知ゾーンと検知した動きが表示され、検知ゾーンやルールをすぐに追加できます。レーダーとの接続を設定し、アプリケーションのオーバーレイを設定する前に、シーンに合わせてレーダーのキャリブレーションを行います。
レーダーの取り付けの高さが、レーダーのwebインターフェースで設定された高さに対応していることを確認します。レーダーが別の高さに取り付けられている場合は、レーダーのキャリブレーションを行って、取り付けの高さを補正する必要があります。
レーダーのキャリブレーションを行うには、以下の手順に従います。
レーダーのwebインターフェースにログインします。
[Radar > Settings > General (レーダー > 設定 > 全般)] に移動します。
取り付け高さを入力します。
[Radar > Settings > Detection (レーダー > 設定 > 検知)] で、[Ignore swaying objects (揺らめいている物体を無視)] をオンにして、シナリオから茂みや木、標識などを除外します。レーダーのすぐ前に道路標識が来ないようにしてください。
車両の統計情報のみが必要な場合は、[Radar > Scenarios (レーダー > シナリオ)] に移動し、シナリオを選択します。シナリオを編集し、[Trigger on object type (物体タイプでトリガー)] で [Human (人)] チェックボックスをオフにします。
マップキャリブレーション

物体が動いている場所を見やすくするために、平面図や航空写真など、レーダーがカバーしている範囲を示す参照マップをアップロードすることができます。
- 画像の要件は以下のとおりです。
サポートされるファイル形式は、jpegとpngです。
画像はレーダーでトリミングすることができます。
キャリブレーション中にレーダーの到達範囲の形状が画像に合わせて移動するため、向きは重要ではありません。
[Radar (レーダー)] > [Map calibration (マップのキャリブレーション)] に移動し、設定アシスタントに従ってマップをアップロードし、キャリブレーションを行います。
レーダーのwebインターフェースでの設定の詳細については、axis.comでそのレーダーに関するユーザードキュメントを参照してください。
レーダープロファイルの選択
Axisレーダーは、2つの監視プロファイル、エリア監視と道路監視をサポートしています。Axis Radar Data Visualizerを使用するには、エリア監視プロファイルを選択します。
レーダーのwebインターフェースにログインします。
[Radar > Settings > Detection > Radar profile (レーダー > 設定 > 検知 > レーダープロファイル)] に移動します。
[Area monitoring (エリア監視)] を選択します。
このプロファイルは、最高時速55 km/h (34 mph) で移動する人間、車両、未知の物体を追跡するために最適化されています。
- 検知範囲、設置例、ユースケースについては、レーダーのユーザーマニュアル (help.axis.com) を参照してください。
アプリケーションのダウンロードとインストール
アプリケーションをインストールするには、axis.com/products/axis-radar-data-visualizerに移動し、最新のバージョンをダウンロードします。レーダーに接続するパノラマカメラにログインし、以下の手順に従います。
パノラマカメラのwebインターフェースにログインします。
[Apps] (アプリ) に移動します。
[Add app (アプリの追加)] をクリックします。
ダウンロードフォルダー内のファイルを選択します。
[インストール] をクリックします。
アプリを起動すると、アプリがアクティブ化されます。
アプリケーションをアップグレードするには、新しいバージョンをインストールするだけです。以前のバージョンをアンインストールする必要はありません。
アプリケーションの設定
カメラをレーダーとペアリングする:
Radar Data Visualizerが機能するには、パノラマカメラをレーダーとペアリングする必要があります。パノラマカメラのwebインターフェースで:
AXIS Radar Data Visualizerを開きます。
[Radar pairing (レーダーペアリング)] に移動します。
レーダーのIPアドレス、ユーザー名およびパスワードを入力します。
[接続] をクリックします。
境界ボックスとメタデータを設定する
境界ボックスとメタデータの表示/非表示を選択することができます。
- AXIS Radar Data Visualizerで、以下の操作を行います。
[Video stream settings (ビデオストリーム設定)] に移動します。
境界ボックスを表示または非表示にするには、[Show bounding boxes (境界ボックスを表示)] のオン/オフを切り替えます。
メタデータを含めるには、[Show distance and vehicle speed (距離と車速を表示)] を選択します。
境界ボックスのキャリブレーションにより、ボックスの垂直方向の位置のずれを調整することができます。
- AXIS Radar Data Visualizerで、以下の操作を行います。
[Calibrate bounding boxes (境界ボックスのキャリブレーション)] に移動します。
矢印をクリックして、境界ボックスの垂直位置を調整します。
- デフォルトの位置は、パノラマカメラで設定された [Horizon straightening (水平補正)] の設定に基づきます。
境界ボックスをキャリブレーションするには、シーンに人または車両が存在する必要があります。
地域設定を選択する
アプリケーションで速度と距離の単位を選択します。
- AXIS Radar Data Visualizerで、以下の操作を行います。
[Regional settings (地域設定)] に移動します。
速度を時速キロメートル (km/h) で表示するか、時速マイル (mph) で表示するかを選択します。
距離をメートルで表示するかフィートで表示するかを選択します。
検知ゾーンを作成する
検知ゾーンを作成し、動く物体やスピード違反車両を検知するようにアプリケーションを設定します。Axisデバイスのイベント管理システム、またはサードパーティ製ソフトウェアを使用すると、ゾーンでの検知に基づいてアクションをトリガーすることがきます。
- AXIS Radar Data Visualizerで、以下の操作を行います。
[+ Detection zone (+ 検知ゾーン)] をクリックします。ライブビューに黄色のボックスが表示されます。
ゾーンの形状を変更するには、黄色のボックスの隅にあるアンカーポイントをクリックしてドラッグします。
ゾーンの名前を入力します。
ゾーンで検知してトリガーする対象を選択します。
[Trigger on moving objects (移動物体でトリガー)] は、移動する物体が検知されるとイベントを送信します。
[Trigger on vehicle speed (車速でトリガー)] は、検知ゾーン内で検知された車両が設定速度の範囲内または範囲外で走行するとイベントを送信します。
- 注
トリガーを1つだけ選択することも、両方のトリガーを同時に使用することもできます。これらは互いに独立して機能します。例えば、[Trigger on moving objects (移動物体でトリガー)] で選択した物体のタイプは、[Trigger on vehicle speed (車速でトリガー)] の設定には影響しません。
- ゾーン内の移動物体でトリガーする場合:
[Trigger on moving objects (移動物体でトリガー)] をオンにします。
トリガーする物体のタイプを選択します。以下のタイプを選択できます。
人物
車両
不明
- 車速でトリガーする場合:
[Trigger on vehicle speed (車速でトリガー)] をオンにします。
車両を検知する速度を設定します。
スライダーを使用して速度範囲を設定するか、[From (最低)] と [To (最大)] の欄に範囲の最低値と最大値を入力します。
設定範囲外の速度でトリガーするには、[Invert slider (スライダーを反転)] をクリックします。[From (最低)] および [To (最大)] の欄は、自動的に [Below (以下)] および [Above (以上)] に変更されます。
- ゾーンを削除するには、リストでゾーンを選択し、[Remove detection zone (検知ゾーンを削除)] をクリックします。
- 注
追加した検知ゾーンなしでビデオストリームを表示するには、[Video stream settings (ビデオストリーム設定)] に移動し、[Show detection zones (検知ゾーンの表示)] をオフにします。
イベントのルールを設定する
特定のイベントが発生したときにデバイスにアクションを実行させるように、ルールを作成することができます。ルールは条件とアクションで構成されます。条件を使用して、アクションをトリガーすることができます。たとえば、デバイスは動きを検知したときに、録画を開始したり、電子メールを送信したりすることができ、デバイスが録画をしている間にオーバーレイテキストを表示することができます。
詳細については、ガイド「イベントのルールの使用開始」を参照してください。
アクションをトリガーする
[System > Events (システム > イベント)] に移動し、ルールを追加します。このルールでは、装置が特定のアクションを実行するタイミングを定義します。ルールは、スケジュールや繰り返しとして設定することも、手動でトリガーするように設定することもできます。
[Name (名前)] に入力します。
アクションをトリガーするために満たす必要がある [Condition (条件)] を選択します。ルールに複数の条件を指定した場合は、すべての条件が満たされたときにアクションがトリガーされます。
条件が満たされたときにデバイスが実行する Action (アクション) を選択します。
アクティブなルールを変更する場合は、ルールを再度オンにして変更内容を有効にする必要があります。
ルールに使用されたストリームプロファイルの定義を変更する場合は、そのストリームプロファイルを使用するすべてのルールを再起動する必要があります。