ソリューションの概要
アプリケーションについて
AXIS Audio Analyticsは、突然の音量の増加や、インストールされたデバイス周辺の悲鳴、または叫び声など、特定のタイプの音を検知します。 こうした音の検知を設定に使用し、ビデオ録画や音声メッセージの再生、セキュリティスタッフへの警告といった対応をトリガーすることができます。
考慮すべき事項
AXIS Audio Analyticsを使用するデバイスの設定に際しては、以下の点を考慮してください。
このアプリケーションは、インストールしたデバイスから10メートル以内の距離で音声を検知するために最適化されています。
喧騒や交通量などの環境がもたらすバックグラウンドのノイズレベルが大きい場合、パフォーマンスに影響が出る可能性があります。
送風機など、直接的なノイズの発生源の横にはマイクロフォンを置かないでください。
製品固有の考慮事項については、help.axis.comでお使いの製品のユーザーマニュアルを参照してください。
開始する
アプリケーションを設定する
管理者としてデバイスのインターフェースにログインし、[Analytics > Audio analytics] (分析>音声分析機能) に移動します。
デバイスで周辺の音のレベルや、突然増大した音量の監視を実行するには、[Adaptive audio detection] (適応音声検知) をオンにします。
[Adaptive audio detection > Advanced settings] (適応音声検知>高度な設定) で [Threshold] (閾値) スライダーを使用して、検知の閾値を上げる、または下げることができます。 閾値を上回る音だけが検知をトリガーします。
[Adaptive audio detection > Test alarms] (適応音声検知>アラームのテスト) で [Test] (テスト) をクリックし、検知をトリガーします。 この機能を使用して、イベントのルールが正しく設定されていることを確認します。
- 注
[Threshold] (閾値) スライダーを使用すると、検知をトリガーするために必要な音量の増大幅を調整できます。 デバイスの設置場所や、検知対象に応じてスライダーを調整します。
デバイス周辺で生じる悲鳴や叫び声など、特定のタイプの音を検知するには、[Audio classification] (音声分類) をオンにします。
[Audio classification > Advanced settings] (音声分類>高度な設定) で、デバイスに検知させる音のタイプを指定します。
[Audio classification > Test alarms] (音声分類>アラームのテスト) でドロップダウンリストのオプションを選択し、[Test] (テスト) をクリックして検知をトリガーします。 この機能を使用して、イベントのルールが正しく設定されていることを確認します。
- 注
[Adaptive audio detection] (適応音声検知) と [ Audio classification] (音声分類) は相互に独立に動作します。 2つの機能のうち1つだけを使う場合、使わない機能をオフできます。
アプリケーションの設定
イベントのルールを設定する
詳細については、ガイド「イベントのルールの使用開始」を参照してください。
音声検知のトリガーでビデオを録画する
この例は、音声が検知をトリガーするとすぐに、Axis装置でSDカードにビデオを録画するように設定する方法を説明します。
デバイスのwebインターフェースで [Analytics > Audio analytics (分析機能 > 音声分析機能)] を開き、[Adaptive audio detection (適応音声検知)] がオンになっていることを確認します。
SDカードがマウントされていることを確認するには、[System > Storage (システム > ストレージ)] に移動します。
[System > Events (システム > イベント)] に移動し、ルールを追加します。
アクションルールの名前を入力します。
条件リストで [Audio analytics (音声分析)] の [Audio level above threshold (音声レベルが閾値を超える)] を選択します。
アクションのリストで、[Recordings (録画)] の [Record video (ビデオを録画する)] を選択します。
ストレージオプションのリストで、[SD-DISK] を選択します。
[Camera (カメラ)] と [Stream profile (ストリームプロファイル)] を選択します。
音声が検知される前に録画を開始する場合は、[Prebuffer time (プリバッファ時間)] を入力します。
[保存] をクリックします。
ルールをテストするには、[Analytics > Audio analytics (分析機能 > 音声分析機能)] を開きます。[Adaptive audio detection > Advanced settings (適応音声検知 > 高度な設定)] で [Test alarms (アラームのテスト)] をクリックして、誤検知イベントを生成します。
音検知のトリガーで、ストロボサイレンを有効化する
Axis製のストロボサイレンを使用して、侵入者にエリアを監視中であることを知らせます。
この例は、AXIS Audio Analyticsが突然の音量の増加を検知した場合に、ストロボサイレンのプロファイルを有効にする方法を説明します。
開始する前に:
ストロボサイレンにオペレーター、または管理者のロールを持つ新しいユーザーを作成します。
ストロボサイレンに、次のプロファイルを作成します。 「ストロボサイレンプロファイル」。
デバイスのwebインターフェースで [Analytics > Audio analytics (分析機能 > 音声分析機能)] を開き、[Adaptive audio detection (適応音声検知)] がオンになっていることを確認します。
カメラで送信先を作成する手順:
カメラの装置インターフェースで [System > Events > Recipients (システム > イベント > 送信先)] に移動し、送信先を追加します。
以下の情報を入力します。
Name (名前): ストロボサイレン
Type (タイプ): HTTP
URL: http://<IPaddress>/axis-cgi/siren_and_light.cgi
<IPaddress>の部分をストロボサイレンのアドレスに置き換えます。
新しく作成されたストロボサイレンのユーザーのアカウント名とパスワード。
[Test (テスト)] をクリックして、すべてのデータが有効であることを確認します。
[Save (保存)] をクリックします。
カメラに2つのルールを作成する:
[Rules (ルール)] を開き、AXIS Audio Analyticsでイベントを検知したらストロボサイレンを有効化する、というルールを追加します。
以下の情報を入力します。
Name (名前): 検知時にストロボサイレンを有効にする
Condition (条件): Audio analytics > Audio level above threshold (音声分析機能 > 閾値を超える音声レベル)
Action (アクション): Notifications > Send notification through HTTP (通知 > HTTPで通知を送信する)
Recipient (送信先): Strobe siren (ストロボサイレン)。
この情報は、[Events > Recipients > Name (イベント > 送信先 > 名前)] で入力した情報と同じである必要があります。
Method (メソッド): Post
Body (本文):
{ "apiVersion": "1.0", "method": "start", "params": { "profile" : "Strobe siren profile" } }
- ここでは、ストロボサイレンでプロファイルを作成したときに入力した情報と同じ情報を ["profile" : <> ("プロファイル" : <>)] に入力してください。この場合、 「ストロボサイレンプロファイル」。
[Save (保存)] をクリックします。
もう1つのルールを追加して、15秒後にストロボサイレンを無効化します。 以下の情報を入力します。
Name (名前): 検知から15秒後に、ストロボサイレンを無効にする
Wait between actions (アクション間の待ち時間): 00:00:15
Condition (条件): Audio analytics > Audio level above threshold (音声分析機能 > 閾値を超える音声レベル)
[Invert this condition (この条件を逆にする)] を選択します。
Action (アクション): Notifications > Send notification through HTTP (通知 > HTTPで通知を送信する)
Recipient (送信先): Strobe siren (ストロボサイレン)
この情報は、[Events > Recipients > Name (イベント > 送信先 > 名前)] で入力した情報と同じである必要があります。
Method (メソッド): Post
Body (本文):
- ここでは、ストロボサイレンでプロファイルを作成したときに入力した情報と同じ情報を ["profile" : <> ("プロファイル" : <>)] に入力してください。この場合、 「ストロボサイレンプロファイル」。
[Save (保存)] をクリックします。
{ "apiVersion": "1.0", "method": "stop", "params": { "profile" : "Strobe siren profile" } }
デバイスが人と叫び声を同時検知した場合にビデオを録画する
この例は、次の両方の条件が満たされたときに、SDカードにビデオを録画するようにAxisデバイスを設定する方法を説明します。
AXIS Object Analyticsが人を検知した。
AXIS Audio Analyticsが叫び声を検知した。
デバイスのwebインターフェースで [Analytics > Audio analytics (分析機能 > 音声分析機能)] を開き、[Adaptive audio detection (適応音声検知)] がオンになっていることを確認します。
デバイスのwebインターフェースで [Apps (アプリ)] に移動し、Axis Object Analytics がオンになっていることを確認します。
SDカードがマウントされていることを確認するには、[System > Storage (システム > ストレージ)] に移動します。
AXIS Object Analytics で [+ New scenario (新規シナリオの追加)] をクリックします。
[Object in area (範囲内の物体)] を選択し、[Next (次へ)] をクリックします。
[Human (人)] を選択し、[Next (次へ)] をクリックします。
必要に応じて、対象範囲を調整します。
[Finish (完了)] をクリックします。
デバイスのインターフェースに戻り、[System (システム)] > [Events (イベント)] を開いてルールを追加します。
アクションルールの名前を入力します。
1つ目の条件として、[Audio analytics (音声分析機能)] の [Shout detected (検知された叫び声)] を選択します。
2つ目の条件を追加し、[Applications (アプリケーション)] に作成したAXIS Object Analyticsシナリオを選択します。
アクションのリストで、[Recordings (録画)] の [Record video (ビデオを録画する)] を選択します。
ストレージオプションのリストで、[SD-DISK] を選択します。
[Camera (カメラ)] と [Stream profile (ストリームプロファイル)] を選択します。
音声が検知される前に録画を開始する場合は、[Prebuffer time (プリバッファ時間)] を入力します。
[保存] をクリックします。
詳細情報
Audio classification (音声分類)
このアプリケーションは現在、音声ストリームに含まれる 悲鳴と叫び声の2種類を分類できます。
悲鳴の特徴は大きな高音域の発声です。恐怖や痛みを表現するために生じることが多くあります。
叫び声の特徴は、人間による大音量の発語です。怒りや、注意を促す目的で生じることが多くあります。
これらの音を検知するようにアプリケーションを設定すると、検知対象音が青または赤の線でユーザーインターフェースに表示されます。 検知の出力はメタデータで構成されます。
プライバシーコントロール
プライバシーを考慮し、デフォルトではすべてのAxis製デバイスで音声ストリーミングがオフになっています。 AXIS Audio Analyticsは収集した音声をどこにも保存せずに、音声のメタデータを生成して視覚化することが可能です。したがって、AXIS Audio Analyticsを使用するために音声ストリーミングを有効にする必要はありません。
収集した音声をストレージ向けにアプリケーションで処理、およびエンコードする設定を利用する場合に限り、音声ストリーミングを有効にする必要があります。
例
統合
AXIS Camera Stationでアラームを設定する
AXIS Camera StationStationの設定方法を説明します。この例では、AXIS Audio Analyticsが悲鳴を検知した場合にオペレーターに警告を送信して、ビデオ録画を開始するルールを設定します。
開始する前に
- 必要なものは次の通りです。
AXIS Audio Analyticsを設定済みのAxis製ネットワークカメラ1台。詳くは、開始するを参照してください
AXIS Camera Stationをインストール済みのコンピューター1台
- AXIS Camera Stationにカメラを追加します
AXIS Camera Stationで、カメラを追加します。AXIS Camera Stationユーザーズマニュアルを参照してください。
- デバイスイベントトリガーを作成する
クリックして [Configuration (設定) > Recording and events (録画とイベント) > Action rules (アクションルール)] を選択し、[New (新規)] をクリックします。
[Add (追加)] をクリックしてトリガーを追加します。
トリガーのリストから [Device event (デバイスイベント)] を選択し、[OK] をクリックします。
[Configure device event trigger (デバイスイベントトリガーを設定)] セクションで次の設定を行います。
[Device (デバイス)] でカメラを選択します。
[Event (イベント)] でAXIS Audio Analyticsのオプションの [Scream detected (検知された悲鳴)] を選択します
[Trigger period (トリガー時間)] で連続する2つのトリガーの間隔を設定します。 この機能は、連続する録画の回数を減らすために使用します。 この間隔中に別のトリガーが発生しても、録画は継続され、トリガー時間はその時点から再度カウントされます。
[Filters (フィルター)] で [active (アクティブ)] を [Yes (はい)] に設定します。
[Ok] をクリックします。
- アクションを作成してアラームを上げ、映像を録画する
[Next (次へ)] をクリックします。
[Add (追加)] をクリックしてアクションを追加します。
アクションのリストから [Raise alarm (アラームを上げる)] を選択し、[Ok] をクリックします。
- 注
アラームメッセージは、アラームが発生したときにオペレーターが確認します。
[Alarm message (アラームメッセージ)] セクションで、アラームのタイトルと説明を入力します。
[Ok] をクリックします。
[Add (追加)] をクリックして他のアクションを追加します。
アクションのリストから [Record (録画)] を選択し、[Ok] をクリックします。
カメラのリストから、録画に使用するカメラを選択します。
プロファイルを選択し、プリバッファとポストバッファを設定します。
[Ok] をクリックします。
- アラームをいつ有効化するかを指定します
[Next (次へ)] をクリックします。
アラームを特定の時間だけ有効にする場合は、[Custom schedule (カスタムスケジュール)] を選択します。
リストからスケジュールを選択します。
[Next (次へ)] をクリックします。
ルールの名前を入力します。
[Finish (完了)] をクリックします。